中学生になると、弟は荒れ始めた。

些細なことですぐキレるし、眉毛を剃ったり、制服もだらしなく着崩したり。
カラオケやゲーセンに行ってばかり。
弟の友達も、そんな感じの子ばかりになった。

弟は、祖母に対しては特に酷くキレた。
当時は、認知症だから仕方ないということが理解できないから、「うるせぇ!!何回も何回も同じことばっか言うな!!!」と怒鳴ることは日常茶飯事で、怒りで窓ガラスを割ったこともあった。

直接、家族に暴力を振るわないだけでもまだマシだった。

そして、中学生から、弟は柔道部に入った。家でも自主的に筋トレをするようになり、力が強くなっていった。

でも、性格は変わらなかったから、両親は、弟を叱らなくなり、弟がキレないように接するようになった。腫れものに触るかのように。