あの日以来、美菜の他に特に仲良くしてくれる友達ができた。


麻衣子という子だ。

麻衣子は成績優秀で優しい。

美菜、麻衣子、私はいつも三人で一緒だった。

美菜が私に話しかけてくれなかったら私はいつまでも友達ができないままだったかもしれないから、美菜には感謝したけど、なんで美菜がそんなに私を気にかけてくれたのか理由は分からないままだった。

みんなからも声をかけてくれるようになったおかげで、私は、女の子とは普通に話せるようになった。

ただ、男子だけは苦手だった。

そして、一年生が終わり、二年生のクラス替えで、私と麻衣子が同じクラス、美菜が隣のクラスになった。

あの背が高い男子はまた同じクラスで、二年生でクラス委員長になった。
日直が一緒になった時に話しかけられた。授業後、日直は黒板を消すのが仕事だったから、一緒に黒板を消していた。

「最近、明るくなったよね。あ、俺、一年の時も同じクラスだったけど、川島っていうんだ!よろしく!」
一年も同じクラスだったのに、今さら自己紹介になったから、私は初めて男子の前で笑った。
「プッ。今さら...。野中水希です。よろしくお願いします。」
川島くんは、「野中さん、笑うんだ。うん、笑ったほうがいいよ。」と言ってくれた。



美菜は新しいクラスでもうまくやってたようだった。でも、昼休みはうちのクラスによく遊びに来た。


三年生のクラス替えで、私と美菜と麻衣子、そして川島くんまで同じクラスになった。

美菜と麻衣子は、「やったー!あたし達、また同じクラスになれたよぉ!」って
抱き合って歓喜してたし、私も「ホント、よかった。麻衣子、結局ずっと同じクラスだね。」って言いながら嬉しかったけど、ずっと同じクラスなのは川島くんもで、クラス替え発表の掲示板、うちのクラスに書いてある名前、「出席番号、6番。川島航太今年はもっと話せるかな...。」初めて、男子ともっと話したいって思っていた...。