ーードキッ
あまりにも真剣な陽平の顔を直視出来ない。
昨日から本当にわけわかんないよ。
なんなの?
「あ、当たり前でしょ」
男友達以外に何があるの?
「じゃあ芹沢はお前にとっての何?」
「な、なんで芹沢君が出て来るの?」
「好きなタイプなんだろ?お前にとって特別なのかよ?」
「そ、そんなの陽平には関係ない……っ」
「俺は……お前のことをダチだと思ったことは一度もない」
えっ……?
掴まれた腕がジンジン熱い。
友達だと思ったことは一度もない……って。
なに、それ……。
友達以下ってこと?
あたし……今まで陽平に友達だと思われてなかったんだ。
ーーズキンッ
なんだ。
だからあたしにだけ冷たかったんだ。
イジワルして来たり、憎まれ口を叩いたりして来たのも全部、友達だと思われてなかったから。
「言っとくけど……日曜はお前らの仲を取り持ったり、協力なんて絶対しないからな」
あたしはズキズキ痛む胸を押さえながら、陽平の理解不能な言動を聞いていた。
「邪魔してやるから、覚悟しとけよ」
その意味を理解できないまま、あたしは陽平の家を後にした。