イライラを落ち着かせようと、来る途中に入れて来たブドウジュースに手を伸ばす。
ストローを口に含んで吸うと、甘いブドウの味が口の中に広がった。
冷たいそれは胸にストンと落ちて、少しだけ気持ちが落ち着く。
「ぶっちゃけあたし、愛梨は陽平が好きなんだと思ってたよ」
「ぶーっ……!」
ミーコの爆弾発言に、ブドウジュースを勢い良く吹き出す。
「あたしも!」
え……?
まりあまで?
「げほっ!やめてよっ!ありえないから!誰があんな奴……!」
いつもイジワルばっかだし、好きになる要素なんてどこにもないじゃん。
2人にそう思われていたことが、かなりショックだった。
だってあたしの理想は、誰にでも優しい王子様みたいな人だもん。