「そうなんだ。実はちょっとお願いしたいことがあるんだ」



え?



「お願い?」



芹沢君が、あたしに?


なんだろう?


心当たりがまったくなくて、思いっきり首を傾げた。


まったくもって検討がつかない。



あたしが見つめると、芹沢君は目を泳がせながら気まずそうに目を伏せた。


みるみる内に顔が赤くなって、爽やかさのカケラも今は見当たらない。


いったい、どうしたんだろう?



「実は俺……西澤さんのことが好きなんだ」



え……!?



「ええぇーっ!?」



目を見開いて驚くあたしに、芹沢君は照れくさそうに頭を掻きながらぎこちなく微笑む。