その日の夜。
お風呂に入ってご飯を食べ終えた後、ベッドに寝転んで天井を見つめながらボーッとしていた。
帰りの陽平の言葉が頭から離れない。
『好きで悪かったな』
好きで……悪かったな。
好きで。
好きで……。
悪かったな。
「あー!!もうっ!」
なんで?
陽平のことばっかが頭に浮かぶの!?
ずっとずっとイジワルな奴だと思っていたのに、突然“好き”だなんて。
しかも言うだけ言って帰って行くから、取り残されたあたしはどうすれば良かったわけ?
追い掛けて返事をするべきだった?
ひどいことを言ってごめんって謝るべきだった?
言い逃げするなんて、一番ズルいよ。