「ミ、ミーコ……今、ありえない言葉が聞こえたような気がしたんだけど」



陽平が……あたしを好き?



「ありえないからね?そんなこと」



「いや、ありえなくないでしょ」



「…………」



ミーコはいったい何を考えてるんだろう。


冷静になって考えてみてよ。


ありえないでしょ。


陽平があたしを好きだなんて。



今までの態度から考えても、嫌いこそすれど好きだなんてことは絶対にナイばすだ。



「ないない、ありえない!寝言は寝てから言ってよね~!まったく」



ミーコの言葉を笑い飛ばしつつ、2人で帰り道を歩いた。



ふんわりした日差しがすごく気持ちいい。



「愛梨は陽平のことをどう思ってんの?」



ミーコと並んで歩いていると、信号に差し掛かろうとしたところでそんなことを聞かれた。


青信号がチカチカ点滅し始め、すぐに赤に変わる。


立ち止まって、少しだけ背が高いミーコの顔をちらっと見た。



どう思ってるって……。


そりゃ。