さっきまでヘラヘラしてたのがウソみたい。



な、なにっ!?


どうしちゃったの?


そんなに真剣な顔しちゃって。



いつもと違う反応をする陽平にポカンとする。


身構えて肩に入った力も、いつの間にか抜けていた。



心なしか陽平が傷付いたような顔をしているのは、きっとあたしの気のせいだよね。



「好きとかじゃないよ。ただ、付き合うなら芹沢君みたいな優しい人がいいって話!」



あまりにも真剣な顔をしているから、思わずあたしもマジメに返した。



「ふーん。あんな奴のどこがいいわけ?趣味わる」



不機嫌な声でそう言った陽平は、スッと立ち上がって教室から出て行ってしまった。