公園に着くと、深田さんに付いて大きな木の下に来た。
夏休みに会った時も、確かここだったっけ。
風がさわさわ通り抜ける。
葉っぱがこすれる音が辺りに響いた。
「吉崎さんの用事って、陽平君のことでしょ?」
「え?うん……」
「だと思った……!それしかないもんね」
深田さんはなぜか、寂しそうに笑った。
どうして、そんな顔で笑うの……?
「陽平と付き合ってるって本当?」
だからかな。
あたしも素直にそう聞くことが出来た。
「……本当だよ」
「…………」
やっぱり……。
だけど、深田さんの顔は幸せそうには見えなくて。
何かを隠していそうな、そんな顔をしている。