次の日の朝。 ギリギリに登校したあたしは、校門を抜けて昇降口を目指して走っていた。 もうすっかり秋らしくなって朝と夜は肌寒い。 おかげで今は、白のカーディガンとベージュのブレザーが手放せない。 「愛梨ちゃん、おはよう」 背後から声が聞こえて振り返れば、そこにはスポーツバックを肩から下げたノリが立っていた。 「あ、おはよう」 「今来たんだ?」 なんて言いながら、ノリはあたしが上履きに履き替えるのを待ってくれている。