「何がいい?好きなの選んでいいよ」
「いや、大丈夫だよ」
痛かったけど、初対面の人にそこまでしてもらうのは申し訳ない。
謝ってくれただけで十分だから。
「いいからいいから」
「で、でも……!」
ニッと微笑まれて、悪意のない笑顔にガードが緩んでいく。
なんなんだろう、この人は。
心からの純粋な笑顔のせいかな、こんなに気が緩むのは。
「ほら、早くしないと昼休みが終わるよ」
えー!?
いいって言ってるのに。
「いいから!そこまでしなきゃ俺の気が済まない」
「じゃ、じゃあ遠慮なく……」
結局あたしが折れて、紙パックのフルーツジュースを買ってもらった。
なんか当たり得?みたいなね。