勝手に勘違いして、しまいには乗り換えたなんて一方的に決め付けて。


あたしが何を言っても聞き入れてくれない。


信じてくれない。


それがどれだけ苦しいかわかる?



振り回してる……って。


それはこっちのセリフだよ。


キスしたり、期待させるようなことを言ったりしてきたのは誰?


散々あたしをからかって、イジワルして。


深田さんと付き合ってるくせに、あたしに対して怒って……。


意味が……わからない。



「その上、最近俺に対して素っ気ないし。マジでなんなんだよ?意味わかんねーよ」



「ーーんなっ……!」



拳がプルプル震える。


もう我慢の限界だった。



「はっきり言えよ、はっきり。聞こえねーよ」



なにその態度。



悔しくて唇をギュッと結んだ後、覚悟を決めて顔を上げた。



そして大きく息を吸い込む。



「ふざけんな!振り回してるのはそっちじゃん!!あたしが一言でも誰かを好きだって言ったことある!?」



それなのに。


それなのに。



「振り回されて傷付いてるのは、あたしの方だよっ!!!大バカ!!」



ムカつく。


腹が立って仕方ない。



胸が苦しくて、ムキになり過ぎたせいで一気に涙が溢れて来た。



泣き顔を見られたくなくて、あたしは返事も聞かずにその場から走り去った。