騒がしい坂上君に呆れつつも、なんだかんだで楽しかったりする。
坂上君は騒がしいけどいつも笑わせてくれるし、芹沢君はたまに毒舌だけどほんわかしてて優しいし。
傷付いた心を癒すにはもってこいの席。
「あいりん、お願い」
パンッと両手を顔の前で合わせながら拝んでくる坂上君に、ついつい流されて結局負けてしまう。
「仕方ないなー!次はないからね」
「サンキュー、さすがあいりん!」
「もう!調子いいんだからっ」
なんて言いつつ、見せてあげるあたしもあたしだ。
ちょっとは危機感を持ってよ。
先生にいくら注意されてもヘラヘラ笑ってるし、反省のカケラもないんだから。
しばらくすると先生がやって来て授業が始まった。
プリントが配られて、後ろへ回そうと振り返った時。
ーードキッ
わわ!
やばっ!
窓際の1番後ろに座る陽平と、思いっきり目が合ってしまった。
なぜか陽平はムッとしていて、明らかに機嫌が悪そう。
どうしたんだろう。
何かあったのかな……?