「愛梨~、ホントのこと言っちゃえば?」
しまいには、やり取りを見ていたまりあに呆れ顔を向けられてしまった。
「なんだよ、ホントのことって」
ーーギクッ
「な、なんでもないっ!陽平には関係ないことだから!ちょっと来て、まりあ」
まりあを立たせると、慌てて教室を出た。
廊下を突き進んでひと気のない場所まで来る。
「も~!変なこと言わないでよね。焦るじゃん!」
バレたくないんだ、本当はプレゼントを買ったってこと。
だって、バカみたいじゃん。
情けないじゃん。
恥ずかしいじゃん。
痛い、奴じゃん。
彼女が……いるのに。
喜んでもらえるはずがないってわかってるのに……。
拳に力が入ってギュッと握り締めた。
「なんで?愛梨は意地を張りすぎだよ!あれじゃ、陽平君も傷付く……」
「まりあには!」
大きな声を出したあたしに、まりあの体がビクッと震えた。