冗談でもその言葉が嬉しくて、自分でも単純だなって思うくらいすぐに頬が熱くなる。



バカだな、こんな一言で天にも昇る気持ちになるなんて。


単純だな、あたし。


本当にバカ。



「照れてんだ?」



「は、はぁ……?な、なんであたしが!?そんなわけないでしょ!」



クスクス笑う陽平にあたふたした。


やっぱりあたしは、素直になれない。


焦ったら、強がりだってバレバレなのに意地を張ってしまう。


可愛くなりたいのに。



「だよな~!愛梨が俺に照れるわけねーよな。お前は俺のこと、ただの友達としか思ってないもんな?」



ーードクン



冗談っぽく笑っている陽平の瞳は、なぜかとても悲しげで。


苦しいくらい胸が締め付けられる。


陽平は……あたしを友達だと思ってないんでしょ?


だったら……なに?


友達だと思ったことはないって言われたあの日の言葉の意味が、未だにわからないんだ。



ここであたしが好きだと言えば、この先の未来は何か変わるのかな?



「あ、あたし……」



「わかってるよ」



えっ?