「ありがとう、大分痛み引いたよ。みんなのところに戻ろう」
「待てって」
腕を掴まれて足が止まる。
力強い陽平の手の温もりに、ドキンと胸が高鳴った。
「しばらく抜けたままでも大丈夫だろ。ソレ、やろうぜ」
陽平はイジワルく笑いながら、あたしが持っていた袋を指さした。
大嫌いな笑顔だったのに、その笑顔が今はあたしの胸をありえないくらいキュンとさせてるなんて信じられない。
「さっき、手持ち花火をバカにしたくせに~!」
「いいだろ。やっぱ定番のソレをしなきゃ、しっくり来ねーし」
「まったく」
なんて言いながらも、嬉しくてついつい頬が緩んじゃう。