「ごめんな、俺がついていながら」
まるで自分のことのように心配してくれる陽平。
陽平はちっとも悪くないのに、なんでそんな悲しそうな顔をするの?
「そ、そんなっ!陽平のせいじゃないよ」
陽平が責任を感じることなんてないのに。
「愛梨、大丈夫?」
まりあが来て、同じようにしゃがみ込む。
陽平はそのままの体勢で、ロケット花火を飛ばした張本人を睨み付けた。
「だから言っただろ?危険だって」
さっきよりもキツめの声が耳に届く。
あたしのために、怒ってくれてるんだ。
「わ、悪い。吉崎、マジごめん……」
「ううん……大丈夫だよ!」
申し訳なさそうに両手を合わせて謝って来る姿を見ていたら、怒る気力が一気になくなった。
気にしてないってフリをして、笑顔を浮かべる。
すると。
「バカ、ケガしてるだろ。ムリするな」
よっぽど心配なのか、陽平は眉を下げたままの顔でそう言った。