考えてる暇もないほど、どんどんこっちに向かってやって来る。


えっ?


ええっ!?



もしかしなくても、こっちに向かって飛んで来てるよね。


このままだと当たるじゃん!



「きゃー!」



「危ないっ!」



周りの女子は、飛んで来るロケット花火を見て叫びながら逃げ回る。



テンパったあたしは右往左往するだけで、飛んで来るロケット花火から目が離せない。



「愛梨!逃げろ!」



「ええっ!?ム、ムリ~!」



そ、そんなこと言われたって、急には動けないよ。



鈍臭いあたしは、完全に逃げ遅れてしまった。



ーーヒュン



その時、すぐそこまで迫っていた花火が頬をかすめた。



「……っ!」