背中をバンバン叩くと、少しだけ腕の力が緩んで大きく息を吸い込んだ。



「愛梨、本当に可愛いんだもん」



「…………」



ううん。


あたし、全然可愛くないよ。


素直になれなくて、いつも強がってばっかりだもん。


陽平のことが好きなのに、強がって女の子らしくない態度ばかり取っちゃう。



「ぷっ、何抱き締め合ってんの?」



まりあの肩越しに見えたのは、あたし達を見て優しく笑う芹沢君。



「いいでしょ~?ラブラブなの~!」



まりあは芹沢君の声に振り返って、微笑んでみせた。