「ずっと思ってたけど、やっぱり陽平君が好きなんでしょ?」
肘でツンツンと脇腹を突きながら、まりあは優しく微笑んでいる。
言わなくても、すべてをわかっているようだった。
「うん……好き、みたい」
ううん、みたいじゃなくて。
……好き。
すごく。
大好き。
自然と陽平の姿を目で追う。
陽平は坂上君や他の男子達に、さっき買った花火を自慢気に見せていた。
バカみたいに嬉しそうに笑っちゃってさ。
「愛梨、可愛い~!友達の殻を破ったってわけか!応援するからね」
「ま、まりあ……く、苦しいっ」
キツくギューッと抱きしめられて、まりあより小さなあたしはすぐに苦しくなった。