「陽平はね～、あいりんのことになるとすぐに目の色が変わってさ……ほら、あいりんに避けられてる時期があったでしょ？あの時、相当ダメージ受けて……っ」
ーードカッ
言葉の途中で、陽平は坂上君に蹴りを入れた。
「いってー……っ！何すんだよ、テメー！俺今、相当なダメージ食らったからな？」
「お前が余計なことを言うからだろ」
「いいだろ？本当のことなんだし」
「黙れ」
「陽平こわ～い！助けて、あいりん」
坂上君が冗談っぽく言って、あたしの後ろに隠れるマネをする。
大きいせいか隠れられていないけど、あたしの肩を持ちながら身を縮めようと必死。
お調子者の坂上君に悪い気はしなくて、あたしは呆れ顔で笑ってみせる。
すると。
「触んなよ」
あからさまに低くなった陽平の声。
そして、あたしの肩を掴む坂上君の腕を取って引き剥がす。
「お～、こわっ。やっぱ、あいりんのことになるとすごいよな。愛されてるね、あいりん」
そう言って、苦笑いをしながら肩をすくめる坂上君。
「マジで黙れって」
「お～こわ。よし、そろそろみんな集まったよな？始めるか」
周囲を見渡して坂上君が突然話題を変えた。
自由奔放というか、天真爛漫というか。
無邪気というか。
