花火を選ぶと、今度は飲み物コーナーに向かった。



「陽平～、ヨモギプリン奢って～！」



「なんで俺が」



「あはは、冗談だよ」



なんかね、こういうやりとりができるだけで幸せだなーって。


楽しいなーって思うから。



「意味わかんねーし。ヨモギプリン食いたいのかよ？」



「え？まぁ、ちょっとだけね」



「仕方ねーな」



「えっ？いいの？」



本当に？



「愛梨が食いたいんなら」



ニカッと笑うと、陽平は棚にあるヨモギプリンに手を伸ばした。



あたしの好きなメーカーのプリンを把握してくれていたことが、嬉しくて嬉しくて胸の奥がくすぐったい。



「俺にもひと口わけろよな」



「えー、仕方ないなー。そんなに言うならひと口だけね」



「いやいや、買うのは俺だし」



「ケチケチしないの」



「いや、おかしいだろ」