銀髪男の仲間たちは、誰も陽平に立ち向かおうとしなかった。


中学の時、陽平は強いって自分で言ってたけどホントだったんだ。



「今度愛梨に手ぇ出したら、こんなもんじゃ済まないから」



冷静だけど、低いその声は明らかに怒っていて。


あたしは立ち尽くしたまま動けなかった。



陽平は銀髪男のそばにしゃがみ込み、冷静な眼差しを向ける。



「聞いてんのか?2度と関わるなよ」



「く、くそッ」



銀髪男が悔しそうにあたしを睨む。


怖くてとっさに目をそらした。



「おい、2度と愛梨に近付くんじゃねーって言ってんだよ」



陽平はどんどん怒りをあらわにする。



男は悔しそうに唇を噛み締め、次第に観念したかのように声を出した。



「誰がこんな女に手ぇ出すかよ」



「その言葉、忘れんなよ」



陽平は銀髪男を一瞥すると、立ち上がってこっちに向かって歩いてくる。