「どっかで見たことあると思ったら……!コイツ、あの三浦陽平じゃん」



「マジかよ?俺、昔コイツんちの道場で空手習ってた……」



「あ!?誰だよ、知らねーよ」



いきなり血相を変える銀髪男の仲間達。


銀髪男は面倒くさそうに返事をして、陽平を睨み付ける。



だけど陽平は平然として、背が高いから銀髪男を上から見下ろしていた。



「クソガキが。生意気言ったこと、後悔させてやるからな」



銀髪の男が陽平に殴りかかる。


あたしは怖くて思わず目を閉じてしまった。


怖い、怖いよ。



「うわっ、テメッ。離せコラッ」



ざわめく周囲の声に恐る恐る目を開けて様子をうかがう。



そこには銀髪男の手をねじ伏せて、その体を壁に押し付けている陽平がいた。


陽平はそのまま拳を男のお腹に1発お見舞いする。



「うぐっ」



男は呆気なくその場に崩れ落ち、お腹を押さえて悶えている。



ほんの一瞬の行動に、その場にいた誰もが目を見張る。