遠慮という言葉を知らないあたしは、お菓子やらスイーツをたくさん選んでカゴに入れて行く。
こんなところで遠慮するほど可愛くないわけで、自分でもそれは承知済み。
「そんだけの量をひとりで食う気か?」
カゴに入っているスイーツのオンパレードを見て、陽平にクスッと笑われた。
なぜか、その笑顔にドキッとしているあたし。
「なわけないじゃん。明日学校でまりあと食べるもん」
「ふーん。じゃあ、俺にもわけろよな」
「やだよ」
そのあと、レジに並んでお会計を済ませた陽平と一緒にコンビニを出た。
「きゃあ」
突然何かが足に引っ掛かって思いっきりつまずく。
わ、ヤバッ。
た、倒れるッ!!
グラリと体が傾く中、足に力を入れて踏ん張った。
その結果、なんとか踏み止まることに成功。
だけどーー。
「いってぇなぁ」
だけど、すぐそばで明らかに不機嫌な声が聞こえた。