数メートル進んだところでようやく陽平に追いつき、無言で隣に並んだ。
陽平のことも気になるけど、さっきの深田さんも少し気がかり。
陽平の横顔をそっと見上げる。
何も考えてなさそうな無表情だけど、そう見えて実は色んなことを考えてたりするのかな。
いや、考えてないか、陽平だもん。
深田さんのこと、どう思ってるんだろう。
キスのことだって……。
あたしはまだ許したわけじゃない。
どう思ってんの?
ぎこちなさも残ってるし、わだかまりも解けたわけじゃない。
だけど、陽平が普通にしているのを見てたら、気にしてることがバカバカしく思えてきた。
これじゃ、いつまでも意地を張ってるあたしが悪いみたい。
「ま、待って」
校門を出たところで、突然後ろから声が聞こえた。