苦しいくらいに抱きしめられて、先生の体温をこんなに近くで感じてることに、ビックリするくらいドキドキしてる。
「茉央ちゃんは俺のじゃないけど、俺以外の誰かに触られてんのとか想像すんのもイヤ。」
少し不機嫌な先生の声が耳元で聞こえて、胸がギューっと締め付けられる。
「…先生、独占欲強いね」
「んふふ、それ前に言ったね」
「うん、言ってた。あのときはちょっと疑ってたけど、ほんとだね」
先生の背中に手を回すと、抱きしめる力が強くなった。
それが、ほんとに離さないって言ってるみたいで。思っちゃいけないのに、嬉しくて仕方がない。
「…茉央ちゃん、覚悟ある?」
まだ耳元で聞こえる先生の声は心なしかさっきよりも暗くて、不安そうだった。
「…覚悟…?」
「うん…周りの人を傷つける覚悟。それでも、俺のとこに来る覚悟がある?」