梅雨の季節。

雨ばかりで憂鬱な気分になる。そんなことを思いながら教室の一角で外を見ていた。






僕の名前は
天宮(あまみや)千尋(ちひろ)

今年で高校三年生になった。

女の子みたいな名前だけど、れっきとした男だよ。




容姿は恵まれたと思う。
美形な父母を持っているから、僕だってそんなに酷い容姿ではない。

そしてお金にも困ったことはない。
父母が懸命に働いているから…なんて言ったら響きがいいけど、そういう家系らしい。


兄弟がいない僕にとっては、その父母の会社…いや、病院の跡取りとして将来は決まったも同然。

そう…僕の将来は決まっている。結婚相手も祖母と母がお見合いを奨めているから、きっと祖母と母が気に入った人と僕は結婚するだろう。












なんて、つまらない人生









恵まれているはずなのにこんなことを思う僕にはいつかバチが当たるだろうか。