「ありがとう、連れてきてくれて」 空から視線を下ろし、俺を真っ直ぐにみる ブラウンの瞳が印象的だ。 火をつけるのを諦め、ライターと煙草をポケットにしまう 「構わない。名前は」 俺もその女をみる 「…秘密」 女はそう答えた。 「朝倉やで、朝倉 琉伊。 何で屋上に女がおんねん…って思ったら仁が連れてきたんやな」 屋上のタンクの上から、そう聞こえた。 この関西弁は独りしかいない。 そう、大河だ。