「おねぇちゃん、ごめんなさい」
後ろからかわいい声がした。
麦わら帽子を被った5歳くらいの女の子が走ってきてた
るーちゃんはそのビーチボールを拾って、女の子の目線まで屈んだ
「おとうさんとボールあそびしてたら、ぽーんってなって
こっちまでとんじゃった、ごめんない」
女の子は眉を下げてそう言っていた。
「ん、大丈夫だよ。 はい、これ。」
「おねぇさんありがとう!」
「おとうさんとたくさん遊べていいね」
「うん!おとうさんいつもおしごとでおうちいないけど
きょうはりかとたくさんあそんでくれるの!」
女の子は嬉しそうにるーちゃんと話している。
「おねぇさんたちのこと、みんなかっこいいっていっているよ
でもりかはおねぇさんがいちばんすき!!!」
と屈託のない笑顔でいうからるーちゃんが
「……ありがと」
少し照れ笑いをしていたのを全員が目撃し見惚れた。
周りにも効果あったようで、
それからは悪口が一切聞こえてこなかった。
もちろん人間だから好き嫌いあるし、全員が全員のこと好きになるなんて
ことは絶対にないけれど、
人を惹きつける力を持つ人は必ずいるんだなぁって感じた出来事だった。