善さんに名無しの権兵衛を紹介してから数日後
俺たちは無事赤点(特にバカ)を乗り越え夏休みに入ろうとしていた。
アイツは適当に倉庫に来たりこなかったりまじ気分屋だったけど
そんなアイツに振り回されてる俺らも俺らだった。
「桐く〜ん、暑いよ〜」
チビが団扇で扇ぎながら俺を呼ぶ。
何で倉庫のクーラー壊れてんだよ、はげが
と、暑さでチビの言葉にも返せずソファーでダラダラしていた。
「桐のシカトは健在やな〜
結羽もシカトされる時あるんや」
とニヤニヤするバカを無性に蹴りたくなる。
「いいもん、桐くんいつも優しいから!
てか何で今日るーちゃん来てないのぉ〜」
「確かに今日は来るっていってたね」
「何で千尋おるん?
今日は女の子とデートやなかったん?」
胸糞悪い笑い方する千尋は、アイツがここに出入りするようになってから
あまり女遊びをしなくなったのはみんなが感じてることだ。
「うーん、めんどくさくなっちゃって」と笑う千尋。