「……ばっ…バケモノッッ…」
男のヒステリックな叫び声が真っ黒な夜の世界に響き渡る。
フードを被り、その男を見下す"バケモノ"と呼ばれた人物。
顔は見えず、性別は分からないが華奢な体である。全身は黒の洋服に身を包み、不思議と夜の世界に同化していた。
「……てめぇ…は…いじょ…ぐぇッッ」
男は最後までいい終えることが出来なかった。
黒に身を包まれた者が、その男を踏みつけたからである。意識が無いとわかっていながらも、何度も何度も踏みつけた。
それはまるで
狂った化け物のように。。。
月が夜を照らしているのか
それとも夜が月をひきたてているのか
誰にもわからない