「あのさ…」
「ん?」
ツリーを見ながらぼそっと話し始める冬雅。
「俺、ここに沙雪と来られて良かった」
「うん…私も、冬雅と来れて良かった」
「俺さ、絶対来れないと思ってたから…だって、先輩のこと好きだっただろ?あー脈無しかぁなんて落ち込んでてさ、もうそろそろ告白しててもおかしくないな〜って時期に避けられちゃうし」
「…そっそれは…」
それは、冬雅のことを意識していたからで、私はどうやらその頃から冬雅のことが好きだったらしい。
「でも、なんだかんだで俺のところにきてくれてありがとう」
真っ直ぐツリーを見ていた冬雅がこちらを向き、にこっと微笑む。
「わっ私こそ、こんなやつを好いてくれていてありがとう」
そう言って冬雅を見つめる。
「あー、ほんとに幸せ…」
そう冬雅が呟いたと同時に雪が降り始めた。