「今日は俺だけを見ててくれる?」
突然の言葉に驚きを隠せない。
背の高い彼を見上げるように顔を上げる。
照れ臭いその言葉に冬雅自身も顔が赤くなっている。
「うん」
そうこくりと頷くものの、こっちまで恥ずかしくなって、にやにやが抑えられない。
「あー、やっぱ今のなしね!」
「えー?今日は私だけ見てて?」
恥ずかしがってそう言った冬雅を挑発するように言うと、
「うるさい」
そう言って頭をわしゃわしゃと撫でる。
その行動一つ一つが私の心を刺激する。
「ほんとに好きなんだなぁ…」
そう小さい声でつぶやくと、ん?とこっちを見る冬雅。
なんでもないと言って、私たちはまた歩き出した。