「ただいま、ランニングしてくる。」
僕は、学校から帰ってきたらランニングをするのが日課だ。これは1年生の頃から続けている。
部屋に鞄を起き、制服からジャージに着替え、外に出ようとした時に、――奴は現れた…
「伊月!宿題は終わったの!?今日は手紙無いの!?伊月の部屋を片付けたとき1ヶ月も前に提出するはずの手紙が出てきたのよ!!」
このうるさくキンキン怒鳴るのは僕の母だ。帰って来たばっかりで宿題が終わってるはずもないし、中学2年生の部屋を片付けるのもどうかしてると思う……
「あの手紙は仕方無いだろ、忘れてたんだから。」
「忘れてたからって!伊月はいつもいつもそうやって昔から提出物を…」
「はいはい!分かったよ!」
俺は怒鳴る母さんを睨み付けて外に出た。宿題や手紙の事は小6の頃から言われてるけど…こう毎日毎日言われるとムカつく。
なんとなく早く家に帰りたくなくて、今日は少しルートを変えてみた。

(そういえば…こっちの方はアイツの家だな……)