村のみんなが送り出してくれた。 後ろ髪をひかれる思いだったが、目的の為に、我慢した。 「それ、どうしたんだ?」 ヤノウくんが聞いてきた。 「ナタおばさんが作ってくれたの。」 「ふーん。」 ヤノウくんは、それだけ言うと黙ってしまった。 でも、少しヤノウくんと近づけた気がする。 まだ他人が怖いけど、ヤノウくんならうらぎらないと心のどこかで信じ始めていた。