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場所は会議室。









「………で、満場一致ということでこの方向のまま進めさせていただきます。」








昼過ぎから始まった定期取締役会で、幾つかの決議を終えた所。




諒は用意された分厚い書類に目を通していた。




決議案は今のが最後だったようで、諒は散会しようと姿勢を正す。






「では、以上を持って今回の取締役会は―」





「―ちょっと待ってください。」





言いかけた途端、直ぐ傍から楓が声を上げて立ち上がった。




「?」




―なんだ?





見落とした案があったのかと、諒は再び書類に目を落とす。




が。





「これから、石垣代表取締役社長解任決議に入りたいと思います。」





―は?






見つめた先の文字へ向けた意識が一気に散らばった。





驚きの余り、諒が顔を上げると、楓の挑むような視線とぶつかる。





窓から射し込んでいた夕陽が急速に沈み始め、部屋を薄暗くさせた。