「まどかぁ。あやねぇ、貴史君と別れちゃったぁ♪」


まだ、教科書の整理もしてない私にあやは言った。


「え?」


貴史君は、男子学校の男の子だって聞いていた。



私が通ってるのは女学校だから、男の子とは無縁の場所だけど、あやはカッコイイ彼氏がいなきゃ気がすまないらしい・・・。



「なんかねぇ、あやの他に好きな女の子ができたんだって~。」


私はあまり、恋愛とか興味ないし・・・。それに【愛】って・・・なんだっけ?

それすら、わからないから、あやの恋人話をされてもどんな風に言えばいいのかよくわからない。


「ねぇ!まどか!!!」


急に名前を呼ばれて、あやの顔を見る。


「あやって、いい女だよね♪」


笑顔で自分の顔を指して言う。



「うん。女の私から見ても可愛いと思う・・・よ?」



大げさに言うと、あやはニッコリ笑った。



「やっぱり、まどかもそう思う?」



「うん。」




「ところで、西田高校って知ってる?」



「知ってるよ。」



確か、この高校から2.3キロ離れてる男子学校だった気がする。



「そこねぇ、イケメン君が沢山いるんだって~♪」



「へぇ~。」


私は作り笑顔で言う。


ちゃんと・・・笑えてるかな?


「今度一緒に行かない!?」