自分の口から“水木”と
無意識に出たことに驚いて、

俺は慌てて口元を手で覆った。


……俺は、

何言ってんだ…



「ほら、やっぱり体調悪いんでしょ」

「何で…」

「?」

「何でもない。1人で行けるから」



俺は額に腕を当てて
顔を隠すように、

その場から歩き出す。


動揺が隠せなくて、
早く離れなきゃと思った。