カサッと封筒を開けて
中から1枚の紙を取り出す。


『昼休み、北校舎の多目的教室に来て下さい』


綺麗な字でそう書かれていて、
私の目が見開く。


「…嘘」

「うわぁ、まじでラブレターじゃん。告白じゃないの?」

「えー、違うでしょ。イタズラじゃないの?だって誰からか分からないじゃん」


書かれていたのは
その文章だけで、

封筒にも紙にも誰からなのか
名前が全く書いていなかった。


「行くの?」

「…行かないよ。気持ち悪いもん、こんなの」


誰からなのか分からないのに
行く勇気なんて私にはない。