まただ。

もみじを見ると
どうしても懐かしい気持ちになって、

つい見入ってしまう。



「ねぇ、日向の学校のこと聞かせてよ」

「学校?」

「どんな感じの学校なの?」


日向の様子に
沙奈が慌てて話題を放り出した。

何でもいい。

とにかく、
とにかく、

日向をこっちの世界に戻したかった。



「……そうだなぁ。あ、そう言えば小学校の同級生が居たんだよな」

「同級生…?」

「ん。小6の時、同クラだった奴」