授業中。


日向がシャーペンを
クルクル回しながら、

窓の外を眺めた。


「…………」


この季節。

色づいたカエデの葉を見ると、
なぜか胸が苦しくなる。


それがなぜなのか、
分からなくて。

でも知りたくて、
こうやって外を眺めてしまう。

それでも何も浮かんでこない。


『水木だよ、水木!』


ふと、思い出した宮崎の言葉。

水木……


『日向くんだよね?』

『仲良かっただろ』