「ごめん、ちょっと通して」


そこへ日向くんが
どこからか戻ってきたのか、

宮崎くんの後ろに突っ立っていて。

ドクンと心臓が跳ねる。


私は思わず
顔を下に向けて、

息を止めた。


あの日から日向くんを
まともに見れない…


「ああ、悪い…ん?え、お前…」

「?」


そんな私をよそに
宮崎くんが何か気づいたかのように、

日向くんを指差して。

驚いた表情で日向くんを見つめた。


「お前、伊吹…?」

「は?」

「俺だよ、俺!小6の時、同クラだった宮崎遼!」