ピピピピ…


「唯ー!起きてるのー?」

「……」



あれから4年。

私は、高校1年生になっていた。


寝起きでボーッとする頭。

目覚まし時計を止めて
ボサボサになった髪を手ぐしで簡単に直す。


「もう、唯ったら!」


バンッといきなり開いたドアに
私はビクッとする。

一気に眠気はぶっ飛んだ。

母親がしゃもじを持って、
突っ立っていた。


「もうなぁに、起きてるんじゃない。ちゃんと返事しなさい」

「あ、ごめん」

「早く準備しなさいよー」


すぐに閉まったドアを見届けて、
私は窓のカーテンを開けた。