ブレザーのポケットから
取り出した1枚の紙。


「確か…多目的教室だっけ」


書かれている文章を
再確認して、

廊下を進む足を速めた。


とにかく教室から遠ざかりたくて、

こんな気持ちを消したくて、

意識をこの紙の人へと
向けるように心がける。


私は、ただ逃げたかった。

現実から目を背けたかった。