早足で職員室に向かう私の足。

やっぱりどこか日向くんとは
気まずさがあるのか、

逃げるように来てしまった。


「……身体は正直だな」


ううん、本当は違う。

日向くんに誤解されたくなかったからだ。

宮崎くんがあんな風に
接してくるとは思わなくて、

日向くんに見られたって思うと
身体が自然と逃げてきてしまった。


まだ自分の中に日向くんが居ることに
私はこうやって思い知らされる。

ほんとバカだなぁ、私。


早く忘れなきゃ自分が惨めになるだけなのに。

でもどうしたら忘れられるの?

毎日学校に行けば、
日向くんが居る。

どんなに避けても
顔を合わせてしまう。


「頑張ってる、つもりなんだけどなぁ…」


前を向くために
頑張ってるのに…