「…日向?」


カフェで日向がボーッと
頬杖をついてると、

目の前に居る沙奈が
心配そうに顔を覗き込んだ。



「どうしたの?」

「……」


『彼女に会ったよ』


頭の中で浮かぶ宮崎の言葉。

そして、

悲しそうな目で

『人違いだよ』

俺のことを見る水木の顔。


俺はゆっくりと、
視線を沙奈に向けた。


「……何で、宮崎と会ったの?」

「え…?」



視線を真っ直ぐと向けて、
沙奈の言葉を待つ。

宮崎と何の話をしたんだ…


目を泳がす沙奈の様子から
明らかに動揺が見える。