「あ、唯!おそーい…って、どうしたの?」

「っ、く…っ」

「唯…?」


日向くんがこれ以上、
記憶を無くさないように。

日向くんからこれ以上、
記憶を奪わないように。


私はもう、
日向くんに関わっちゃいけない。

私は日向くんが辛い時、
何もしてあげられなかった。


そして、

今も何もしてあげられない。


「あたし、ね?日向くんと、さよならした」


あの頃の私は、
こんな日がくるなんて1ミリだって思わなかった。

こんなにも悲しい日がくるなんて
思わなかった…