「人違いだよ」


真っ直ぐと日向くんを
見つめると、

スルリと日向くんの手が
私から離れて。


私は教室から出た。


『じゃぁ、ゆびきり!』


日向くんは、
あの風景を思い出したんだ…



「っ、」


もうそれだけで充分だ。

廊下を歩き進めながら
私は目に滲む涙を手で拭った。


ばいばい、日向くん。