気付くと自分から出た
大きな声に、

私自身が驚いて。

日向くんの目も見開く。


「あ…、ごめっ…」


だけどもう、
これ以上私を振り回さないで。


「…水木、なの?ゆびきり」

「え?」

「たまに映像が、頭に浮かぶんだ。女の子とゆびきりした映像が」

「!」

「俺は、水木のことを…忘れてるの?」



そう言った、

日向くんの表情が
今までで1番切なく見えた。